#12

「こちらチームγ! 目標、12時の方向に6、いえ9! 9名確認しました!」
「了解! 応援がすぐに向かうのでなんとか保たせるように。無理はするな」
「了解。アプリ起動! 戦闘に入りますっと!」
「! オマエ、サモナーズダナ、ツブス!」
「させねぇよ!」
「手合わせ願おう」
「蹂躙を行う! 」
「ギイッ」

「ゴロウ、ただいまβとγが敵戦力と戦闘に入ったようだ。エビル達の調査によると、こことここの辺りに未接触の襲撃者がいる。こっちにαを向かわせたよ」
「いい采配だ。ヨルヲが居ないうちに攻めてくると思ってたけど、やっぱりだったね」
「……よかったのかい。ヨルヲがこのままここに居れば、きっと彼らは攻めてこなかったはず」
「いつかは摘んでおく必要があったんだ。なら早いほうがいいだろ? 反対勢力でのちのち固まられる前に、恐怖を植え付けておかなきゃ」
「それは、そうだけど」

「エビル達が落ちたっ」
「敵ながら天晴れでありますぞ」
「奴ら、なかなかやる」
「そろそろ来ても良いはず……どああっ!?」
「トシオ殿!」
「くっ……犬よ、我らのみでは少々厳しいぞ」
「いってて、まだ離脱しないっすよ」
「γチーム、またせたな――――忠勇凝裂《オンルプシカムイ》」「グアアアア!!!」
「ホロケウカムイさんっ」
「さあ、仕切り直しだ!」

「なんで俺がガキ共のお守りせにゃならんのだ」
「……ごめんね、ノーマッドさん」
「オメェは謝ってんじゃねぇよっ……ったく」
「わっ」
「あ、頭は嫌だったか?スマン」
「ううん、いやじゃ、ない」
「しかし、お前も災難だな。熊二人とも山に出払っちまって」
「お留守番、ちゃんとできるよ。それに、ノーマッドさんもいるし」
「なーんで俺が懐かれてんのかね」
「おじさんが、たまに話してくれるから……世話になってるって」
「……そうか」

「堅解孤狼《フローズヴィトニル》ッ!!!!」
「なッ、彼奴、公衆の面前であのようなふしだらなッ!! 束縛した隆々たる身体にしとどな大牙をさらしおって!」
「流石先輩! 硬派だぜ!」
「シトリー殿!? そうか……あれが硬派」
「そんなワケ無いでしょアンタ達バカじゃ無いの!? ほら向こう見ちゃダメダメ呪い撒いて束縛してっ……もぉーーヤダ何でこんなに知能指数低いワケ」
「"制裁を加える"!どうですシトリー殿! 硬派でしょうか!」
「うんうん。それもまた硬派だぜ!って痛ってぇ!」
「相手をいちいち亀甲縛りすることのどこが硬派なのかお姉さんに分かるように教えてくれない?」