#14

「シュテン先輩。桜の下でどうです?」
「せんわ」
「てめぇヨルヲさん兄貴に手ぇ出したら流石にのめすからな! ……乞うなよ? ぜってぇ乞うなよ!?」
「それはフリなのかな?」
「ねえマガミ君? ヨルヲっていつもああなの?」
「そっすね」
「グンゾウ、好きだよ」
「そ、それほんとかヨルヲ……!?」
カグツチ、こんなとこさっさと出るよ」
「待って下さい兄弟子!」

「まさか貸した服が突然のかまいたちでボロボロになるとはな」
かまいたちで服がボロボロになるってどういう事なんだ」
「ワシが暖めたる、バーゲストさん」
「離れろ!おいザオウ、毛布は無いのか」
「おろろーん」
「毛布も先ほど突風に吹き飛ばされてな。急遽温泉を湧かせた」
「早く服をくれ……」
「ワシの体操服を貸しちゃるぞ」
「お前が裸になるだろうがバカ」
「ワシは寒くないぞ!」
「そういうことじゃない」
「麓から届くまで少し待っていてくれ」
「ワシは帽子で隠せばええじゃろ」
「お前は何を言っているんだバカが」

「ヨルヲ、ただいま戻りましたーっ」
「おかえりヨルヲ。シロウ達に報告だな」
「ただいまニコ。どこにいるかな? いつものところ?」

「ゴロウちゃーん」
「おかえりヨルヲ。報告を」
「資材だけど、赤い種と各種証は手が回りませんでした。くそぅ。あとはバーゲストさんの裸が見られたのと、定期報告の通り、新メンバーとかかな」
「お疲れさん。うん、資材がこれだけあればギルドの力量の底上げが狙える。蒲田の方に連絡だな」
「……あのさ。僕がいない間に襲撃があったって」
「それなら、十全に対処できたから心配しなくても良いよ。キミの分位のカバーはできなくてはね」
「それなら、よかった」
「おや、ヨルヲ。戻ってたんだね」
「ただいまシロウ」
「今、報告を受けていた所だ。さあシロウ、神器の強化計画の練り直しだ……」