#9

「このバー糞重たいですね」
「当たり前だろう。登山用だ、高栄養価で一本で満足できるようになってる」
「……飽きません?」
「マガミ君、山の景色をおかずにすれば良いじゃないか」
「だからそれ止めて下さいよ……」
「へへへ、数合わせに誘っちゃってごめん」
「ヨルヲさん……いや、いいんですけど。仕事ですし。あぁあと状況報告っすね……」
「お、僕たちだーいぶ先頭まっしぐらだね」
「それホント!?あたし1位になれる!?」
「なれるさ。俺と約束したじゃあないか」
「やった!ザオウ先輩やるぅ!」
「しかし参加者殆どサモナーズじゃないすか。これって意味あるんです?」
「まぁ実質ギルド内の催しみたいなものだけどさ……大丈夫、外部者もいない訳じゃないんだから」

「さて、最後に乱戦じゃ。儂に一太刀でも浴びせれば、褒美をやろうぞ」
「すみませーん褒美ってなんですか」
「儂のタチが」
「はいはい帰ろ帰ろお疲れさまでしたー」「乙です~」「ありがとうございました~」
「むぅ……つれないのぉ」
「じいさん、褒美はいらねぇからやろうぜ」
「おぉムサシ、おぬしだけぞよ構ってくれるのは」
「ホントに褒美はいらねぇからな?」
「さて、仕合おうか」

「やめろーーーっ!!!」
「ほれほれここがええんじゃろ」
「やめろっつってんだろ離せごらっ」
「これ暴れるな」
「風呂はイヤだっほんっとーにやめてくれっ」
「いいかげんにせんと香ではごまかしきれんぞ~」
「……さっきから背中に当たってんのなんなんだい」
「儂のタt……あっ逃げるでない"縮地"」
「イヤだっーーー!」

アルスラーン様」
「ぐおお……」
「あら。まぁ、今日は暖かいですし」

アルスラーンさん」
「ぐおお……」
「マリアもいる……今日は日差しもいいしな」

アルスラーン様」
「ぐおお……」
「イツキ様までお休みですか。今日は暖かいですからな。しかし」
「ぐへぇ」
「ふぁ」
「ふぇ」
「お目覚めですか。スコーンが焼き上がりました。召し上がりますでしょう?」
「わしいつから寝とったんかのぉ」
「私ったら居眠りを……」
「ざば……?おはようございま……」
「既に三時を回っております、イツキ殿」