#28

「名前だと?」
「そっすね」
「そうだな、武士は名を多く持つ。例えばオレだが、犬山道節忠与。詳細は省くが、犬山道節もタダトモもどちらもオレを指す名前だ」
「どちらもタダトモさんって事っすか」
「そうだ。また、ワノクニの武士は出世し役職がかわる時など、何度も名前を変える」
「時代によって名前が変わるんすね」
「それぞれの名はそれなりの意味を持って付けているからな、名前ごとに違う自分と言っていい」
「なんとなく参考になりますね」

「坊ちゃま、そろそろお時間で御座ります」
「わかっている。準備も万端だ。テレビを点けよ」
「かしこまりました」
「おおおっ、がんばえーー! きゅあきゅあがんばえーー!!」

「先輩、そろそろ時間ですね」
「わかっている。準備は万端だ。テレビを点けようじゃないか」
「始まりましたね」
「うおおっ、がんばれーーッ! ライダーがんばれーーッ!!」

「黒ちゃ~ん……」
「……。」
「ぎゅってしてちょうだい」
「……わかった」
「何しとんねんサムやん! ご主人はワイのもんや!」
「ずるいぞ黒ちゃん! オイラだってヨルヲさんをぎゅってしたい!」
「あ゙ぁ? なにゆぅとんポール?」
「テュポや~ん! ポールく~ん!」
「はぁ~いテュポやんはここやでぇ~!!」
「オイラはここッスよ~!!」
「「「あははあはは」」」
「……。」