#29

｢近く、祭があるらしい。少年よ、行きたいか？｣
｢！｣
｢そうか、では共に行こう。きっと皆いるだろうし、愉しいだろうから……問題は無い。何かあれば私が守ろう｣

｢今度祭があってな｣
｢ワシがケンタと回るんじゃな。グンゾウ達も連れ回すが、ええじゃろ？｣
｢すまん、頼んだぞ｣
｢まかせちょれ！ 頑張ってくるんじゃぞ！｣

｢今度の祭、何かある気がするよ｣
｢あ、やっぱり？ ゴロウちゃん。僕もそんな気がするんだよね｣
｢セクハラは控えてくれよヨルヲ｣
｢それは確約できないかな｣

＊

｢ダイスケ君……かな｣
｢あ、ハイ、僕です……サンゾウさん｣
｢よかった。元気そうだ｣
｢……すみません、気に掛けて頂いて｣
｢ダイスケ君は仲間だし、友達なんだから当然だろう。それと、前も言ったけど｣
｢う、その……僕は一応ファンですし……年齢はアレだけど、敬語の方が良いんです、居心地が｣
｢それなら、まぁ｣
｢僕はもっと、ちゃんとしなきゃ。この間は、改めてすいません｣
｢……。｣

＊

｢祭なぁ｣
｢マガミさん行くの？｣
｢お仕事で行くことになりそう｣
｢マ？ ホウゲンさん警備付くらしいから剣術指導無いんだよね～。俺もいこっかなぁ｣
｢………………やだぁ。会いたくない……｣
｢マガミさん？｣
｢トシオ、恨むからな｣
｢え、やだ、何したっけ俺｣