#15

「タダトモ、コイツが言ってたネズ公か?」
「セーフハウス周辺で何やら嗅ぎ回っていたよ。見るからにバレバレではあったが」
「なるほどな」
「それでは。後はオニワカ、貴様に任せておこう。オレも忙しくてな」

「……だってよ。俺だって忙しく無いわけじゃねぇんだがな。まぁこいつだって仕事だからな……安心しろ、じっくりやってやるからな。まずはどこからがいい?足の指と手の指、どっちにするか?心配しなくとも、この部屋からじゃあどんだけ叫んだって聞かれたりゃしねぇからよ」

「やあ、ダイスケ君。外で会うとは珍しいね」
「よう、ブラザー!会いたかったぜブラザー、そうだ!あとで一緒に鍛えないか?オレ、ブラザーと一緒なら何倍も頑張れる気が」
「―――『ダイスケ君』。」
「気が、が………………僕、……ひっ」
「ダイスケ君、大丈夫かい」
「僕、僕は、ぼっ」
「もしもし、サンゾウです、ミネアキ先生、居草場ダイスケ君をいまから運びます、すぐに診てやってください」

「はぁ」
「精が出ますね、ヴォーロスさん」
「えっあっえっいやぁははは、えっと、こんにちはアザゼルさん。何か御用でも?」
「ふふ、何か悩んでいますね」
「そ、そうかな。そう見えます?」
「私に視えないものなどありませんよ。そうですね……彼は甘い物が好物です。それとなく果物などを渡すのはいかがでしょう」
「そうですか……えっ」
「幸運を祈っております。それでは」
「あ、ありがとうございます。あれ?もしかして本当にバレバレ?なのかなぁ」