#6
「お出かけかいマガミくん」
「物部先生。そうですね、ちょっと東の方に」
「アプリの活動の一環だな?うん。無事に帰ってきてくれよ、頼むから」
「ヘマはしませんよ、あとマガミってのやめて下さい」
「俺は心配なのさ。君たちの保護者としてね」
「何十人もの監督いつもお疲れさまです。マジで」
「はっは、そこまで大変じゃないさ?年齢が若いのはむしろ少ない方だから」
「そっすか。それじゃあいってきます」
「頑張れよ」
*
「いえええええい!!!!!」
「やったぞおお!!!!」
「ヒャッハーーー!!!!」
「いやーちゃんと完売できたねリヒト君!」
「そうであるなクニヨシ!このようにしてわれわれ三人の汗と涙といろいろの結晶が!それを求める者の手に無事渡ったというのは実に!すばらしきことである!!」
「本当にそうだ!特撮好きの仲間とも出会えて、本当に最高のイベントだった!!クニヨシ、このような機会を与えてくれて、本当に感謝している」
「いやいや、ひとえにクランプスさんの情熱あってこそですよ!」
「それでは二人とも。新刊完売を記念して、乾杯の儀を執り行おうと思う。さぁ、杯を掲げて」
「うん」
「んっ」
「「「「カンパ~イ!!」」」」 「は?」「あっ」「えっ」「……何よ」
「てめぇサブカルクソ女何勝手に入ってきてるんですかぃェ??????なんなの????処す?????マンガにかいてやるぞ??????」
「あーーーらやれるもんならやってみなさいよそんなもん慣れてるし?アタシサラスヴァティーよ舐めるんじゃ無いわよこんのオタクデーブ!!!それにアタシも写植手伝ったんだから入る権利あるわよね!?」
「あ、あの……ちょっと……ふたりとも……」
「おれ、おれは、どう、えぇ……」
*
「あ、これウマい!すげーウマい!これもマルコシアスさんが作ったんすか?」
「ああ、父親の会でいろいろ教えて貰っている」
「は~……これも硬派って奴だな!」
「お菓子作りならオレっちも負けないぜ?」
「うめーけど軟派には変わりねーし」
「つれないナァ」
「予もお菓子作りは得意であるぞ」
「えっマジっすか?」
「スコーンなら私も作れはしますが……」
「もしかして……何も作れねーのオイラだけじゃん!硬派じゃねーぞっ……練習してケンゴ先輩にうまいって言って貰わなきゃ……」
「ふむ……その心意気ぞ良し」
「オレっち手伝っちゃう?」
「いらねー」