#25

「ちぇるちぇるちぇる……」
「何やってんだ魔王」
「ちぇるちぇる踊りだ。勇者に教えて貰ったのだが、なにか商売になるのだろうか?」
「なんねーな。キャッチーさはあるがビミョーな域を出ねぇ、光るもんがねぇな」
「そうか……」
「なんでそこでオメェがしゅんとなるんだよ! しゃっきりしろっての!」
「そうだな。少々惜しくはあるが、我がワンダーフォーゲル部内だけでの流行りか。それはそれで悪くない」
「流行ってんのかよ」

「トシオよ」
「はいはい」
「何でついて来てんの?」
「丁度俺もホウゲンさんに用事が……呼びつけられ……何されるんだろう……こわい」
「ドンマイ」
「反応薄くない?」
「だって俺がどうこうできる話でもねぇじゃんかよ」
「ほら、そこは口添えとか」
「野良バトルだー!」「サモナーズとレジスタンスだ-!」
「あれケンゴさんじゃん。シロウさんに絶対怒られるでしょ後で」
「うわーい逃げ出す口実だァーー!マガミさん良いように言っといてね!」
「はァ?」

「ったく……なんでお前とここで鉢合わせるんだ」
「それはこっちの台詞だぞノーマッド。私はサモナーズのリーダーとしてこのパーティーに招待された立場だが、お前はどうなんだ?」
「はいはい、こっちは潜入ですよっと」
「バレたら摘まみ出されるのだろう? それぐらいは私でもわかる。黙っておいてやろうか?」
「頼むぜ。……っと、どうやらダンスの時間だ。お前、相手はいないんだろ? 俺が相手してやるぜ」
「ほう、ノーマッド。お前、踊れたのか」
「当然だろ。さぁ、来いよ。お嬢さん」