#24

｢トシオよ、あれバティムさんじゃね？｣
｢その横にいるのはどーやらヨルヲさんっぽいな｣
｢バティムさんにっこにこしてる。にっこにこ｣
｢多分香水を買いに行くんすかね｣
｢ヨルヲさん、ギルマス中では一番変人だからなぁ。ああいう人に好かれてるよな、なんか｣
｢自分を顧みない感じ？ ｣
｢あー、そういう。だからか、ガンダルヴァさんに好かれてるのも納得だわ｣
｢あと単純に強いってのもありそう。マガミさんはどーなん｣
｢俺？ どっちかと言えばイツキさん派かな。ってかさぁ……もうなんかいいや｣
｢もうマガミさんはマガミさんだし。今更言っても｣
｢お前が震源地だからな？ ｣

＊

｢これは鉢巻きだ。マタンプｼという｣
｢うん｣
｢これがアットゥシ｣
｢うん……ホロケウカムイ｣
｢どうした英雄よ、何か要りようか。喉が渇いたか？｣
｢いや、どうして脱いでいるんだい？｣
｢我が英雄の鞘となる為だ。溜まっているのだろう？｣
｢いいや、ボクは別に｣
｢そうか……不要か｣
｢あぁ、そんな泣くことは無いだろうに｣
｢泣かせてしまったのですね。別の意味で泣かせてやればよいものを｣
｢アザゼルさん？｣

＊

｢しゅくん。わがあるじ。あるじが恋しい。愛しいしゅくん｣
｢ほら、こっち……あれです。あれ、どうにかして下さいよぉ｣
｢マガミ殿？ な、なんなのだ、一体……わかった、承知した……タダトモ殿？｣
｢わふぅん！ マルコシアス殿ォっ！ オレは、オレは寂しうござりますッ！ 慰めて下さい父上ッ｣
｢うっ……私はここにいる、慰めてやろう、よしよし｣
｢ちちうえッ！ よよよ。ばぶばぶ、おぎゃぁ｣
｢こんなに目と下を真っ赤に腫らして……｣