#26

「縄を解いて下さい」
「ええじゃろ? お主も男じゃ。悪い気はせんじゃろ」
「トシオが来てたらトシオがこうなってたんですか」
「あやつ、すばしこっこくての。まぁ、お主もイイカラダしとると思っていた」
「放してくだ……っ、放せっ」
「まぁまぁ落ち着け。儂が一発抜いてやろうぞ」

「お主、本来はマガミという名では無いのであったな。名が無いのだったかの?」
「」
「此方に来て、彼奴に名付けられたと。そうだな?」
「……。」
「このままだとお主はマガミになりかわるぞ。存在がの」
「……。」
「……まぁよい。忘れぬ内に対策をしておくのじゃな。さぁ、縄を切るぞ。帰って主殿に用件を報告せよぅ、のう」

「せんちょー! 今日も晴れて良い日ッスよ-!」
「うるせぇぞ、用もねぇのに話掛けんじゃねぇ!」
「確かに良い日だなぁポール」
「ッスよねっ! 流石マカラさん解ってるっ!」
「でも仕事をサボるのは良くないなぁ」
「う! すいやせんマカラさん!」
「手前ポール逃げてんじゃねーぞ」
「ごめんタリー! 今戻るッスよ!」
「にぎやかだなぁ」
「せやなぁ……でもご主人はん居ったらもっとええのになぁ。しくしく」

「え? プレゼント?」
「うん。お返しなんだけど」
「うん。それはいいね。とってもクリスマス的だ」
「それはどうだか」
「で、相手は誰なんだい」

「あ……これは。おっきな水筒、それに軍手。それと、手紙……んふ、んっふふふ」

「ヴォーロスから写真だ……へへへ、なんだかくすぐったくなってきた。ヨウルにも送ろう」