#38

「暑ないすか?」
「今さら?」

冷やし中華ひとつ……「俺分も頼んで」あ?すいませんやっぱ二つで」
「あちぃ~っすよマガミさん」
「お前俺はもっと暑いかんな。毛皮舐めんな」
「いやそりゃそっすけどさー、暑いもんは暑いんすよ人間様もよー」
「おら、お冷やだぞお冷や」
「ひぇひぇ。聞きました? プール干上がったって」
「おかしいだろ。また溜めればいーじゃんよ。なんだ、太陽は俺たちをコロすきか」
「きっと『太陽光線でアツアツになりなさァ~い!』とかふざけてんすよ。ハクメンちゃんみたいな子が……」
「そういやハクメンさんリゾート開いたってな。あっつ」
「きっとマッチポンプっすよ絶対そうだちげねぇ」

「ぶへへいい尻してやがるぜ」
「さよかぁ」
「なんだよ淡泊だな」
「ゴウリョウはんに言われてもなぁ。ワイはご主人はんに魂売っとんのや」
「んだよつれねぇなァ。まぁいいけどよ」
「せや、お仕事終わったんなら手伝ってくれへん? これ細かくてかなわんわ」
「……しゃーねぇな、やってやんよ」
「おおきにぃ」

「ちょっとだけ、似ているでありますな!」
「おっ、そうかい? そうだな! 確かに……」
「こう、腕が剛いといいますか!」
「あ、腕と言えば」

「あ? なんじゃ、クロガネに連れてこられたと思えばタヂカラオじゃねえか。鍛えとるか?」
「アマツマラ殿ではありませぬかぁ。鍛えておりますとも! もちろん! ぬははっ」
「えっ。なんだよぉ、2人とも知り合いかよぉ」