#40

「やぁ、イツキ殿。ご機嫌はいかがですかな?」
モリタカ?」
「拙者は、接写は、夏色のてふてふが真空管から逆立ちで溶け出すようなソテツの根。コップ一杯のはじめましてが目覚める黄色でありますよ」
「?」
「ですからぁ、帽子の点々があるまじきサイリウム形状の、外堀を埋めるは確かな味わい深い、アダマンタイトとも言われる裏口のお猪口! 拙者のもふもふが要りようでありますかな? あれ、何処へ?」
「すまぬ、犬武者よ。今は我が腕で眠れ……」
「は、謀りおったな、秤折ったな……!」

「今は奥でお休みですわ。しかし、災難でしたわねぇ御館様」
「僕、凄く恐いよ。このまま暑かったらみんなこんなになっちゃうんじゃ……?」
「そのためのクーラー、そのためのリゾートですわ。御館様のお連れなら特別待遇させて頂きます。いつでもお越し下さいね」
「わかった。ありがとうハクメンちゃん……」
「お飲み物を用意しましょ。あちらへどうぞ」

「おやベイビー達。皆はコーラが良いかな?」
「ありがとうサンバさん。バーは大丈夫なの?」
「今は閉じさせて貰ってるよ」

「ここ、どこ?」
「砂漠だなァ」
「うわ、ゴウリョウさん。砂漠にサーフボードってどうなの」
「知らねぇよ! オレはリゾートにいたはずなのによォっ!」
「あ、なんか来た」
「何だぁ? あいつら船の仕事はどうしたんだ?」
「おうおうーーっ! オイラ様海賊ポール様だぜーッ! 大人しく荷物置いてけ、ってゴウリョウさんじゃねぇか!」
「どういうことなの?」
「異界化かぁ、面倒臭ぇなぁ」